令和七年 自訓録

2025-12-31

第一条、今ある所与を生かす

地の利、時流、境遇。いま手元にあるものを使い倒せ。弱いから強くなるのではなく、弱さを強さへと転じよ。我々はすでに十二分に持っている。実のところ、欠けているものはほとんどない。だからこそ、良い未来はここからしか生まれない。準備は怠るな。

第二条、受け取る義務を背負う

与えることが義務ならば、受け取ることもまた義務である。循環を止める権利は誰にもない。出したものは、形を変えて戻ってくる。雨が地面から降らないのと同じだ。これは自然の摂理である。ただし、打算は必ず見抜かれる。

第三条、好奇心は間違わない

とにかくセンス良くあれ。センスは一朝一夕に磨けない。だが、好奇心だけはそう簡単に間違わない。本物と偽物、正しいことと正しくないこと。良いものも悪いものも、触れ続ければ、いずれ自然に輪郭が立ち上がる。

第四条、前線主義

前線とは、未来(仮説)と現実(制約)がぶつかり、混ざり、更新される境界面である。最前線は、その面のなかで決断が発生する一点だ。可能性は前線にしかない。未来だけでも、現実だけでも、選択肢はすぐに固定される。衝突が別解を生み、創造の場となる。

第五条、検証なき創造は妄想である

答えはある。答えかどうかは主観ではない。現実で確かめられる。答えを探せ。真実を探せ。見つからないなら、仮の答えを立てて作れ。だが必ず答え合わせをせよ。検証せずに逃げるな。答え合わせをしない創造は、ただの独りよがりである。

第六条、良き隣友でいる

いつだって我々を導くのは、友人であって、人脈じゃない。人を使おうとするな、人を消費するな。人はモノじゃない。関係を道具にしていると気づかないほど、人は愚かではない。そして、友人になりたくないと思う人と過ごすほど、人生は長くない。

第七条、不立文字、真なり

体得せよ。論理に惑わされるな。世の中には嘘がたくさん紛れている。地図を読むことと、道を歩くことは天と地ほど違う。すべてを歩かず、すべてを知ることに任せず。 その両輪で、真偽を見極めよ。