二〇二六記
2026-01-02
あけましておめでとうございます。
2025年は、少しだけ世界を理解できた一年でした。今見えている理には、もう少しで手が届きそうだと思えた一方で、さらに奥に「まだ何かがある」感覚も強くなりました。
2025年の概略
種をまいた
2025年1月は、業界も技術もごっそり切り替えた直後で、使えるリソースがほとんどなかった。
会社や事業に種すらない状態から考えれば、できる限りの種はまけたと思う。手応えはあったが、最後の詰めが甘かったのは否めない。かなり反省している。
次につなげる準備は最低限整えられた。
縁に恵まれた
確実に八割以上は、人からの紹介で日々が回っていた。これが〈縁起〉なんだと、感謝とともに実感した。
受け取った分は、下の世代に倍以上にして返していかないと、罪人になる勢い。
付き合い方にも責任が生まれ、会話が噛み合わない人や建設的な議論ができない人と過ごす時間はかなり減った。これはお互いにとって良い選択だと感じた。
手足を動かした
2025年は国内外合わせて、出張が30回を超えた。足を動かした。
一方で、手は動かしすぎた。手を動かすほど、未来への思考が冴えなくなる感覚があった。下半期に見えてきたのは、可能性の限界ではなく、物理の限界。特に11月以降はひどくて、「限界ってあったんだ!」と久しぶりに思った。限界は普通にある。
門を叩いた
業界の知見がないのなら、誰かに教わるしかない。本当に知るべきで、知りたい重要な情報は、インターネットにも本にも載っていない。だから、教えを乞う。
こちらが本気で知ろうとすれば、相手も本気で返してくれる。結局、現場に行くしかない。
そして、改めて気づかされたのは「最先端」という肩書きだけでは、実践の価値は担保されないということ。
東洋へ還った
下半期から、東洋哲学を2年ぶりに学び直した。すると景色ががらりと変化した。
西洋哲学も古代ギリシャ哲学から近現代思想まで、広く浅く目を通した。ヘーゲル、ニーチェ、レヴィナスなど。その上で、最後にいま欲しい答えとして残ったのは東洋哲学者の思想だった。
ブッダ、ナーガールジュナ、達磨大師、老子、荘子、空海らの思想は、私の思考の遥か先を行っていた。悩み、ぶつかっていた壁の、さらに向こう側に立っていた。物事の捉え方が変わると、日々の判断の質まで変わる。壁を越える瞬間に立ち会えた。
2026年の方針
より足を動かす
いつもの場所には、新しい情報もインスピレーションもない。だから今年も、足を動かす。新しい土地へ行き、新しい人に会いに行く。海外にもっと出る。
移動は単なる情報収集ではなく、感覚の更新。
文化や歴史に触れ、その土地にしかない空気を体で感じる。耳で見て、目で聞く。その感覚が益々大切になってきた。
運を使い倒す
運は温存しない。使える瞬間に使おうと思う。
「運がなくなる」なんて心配は要らない。多くの場合、運は使いきれないほど残っている。
「99%は自分のせいだ」と決めていると、「運が悪い」という概念がそもそも立ち上がらないことに気づいてしまった。ここぞで躊躇なく全部使って良い。
人と教育に向き合う
教育に興味があるというより、正直、もうそこしかやることがない気がしている。
振り返れば、いつもやっているのは議論であり、学び合いであり、お互いの理解を深めるための環境づくり。無意識的に。お互いがお互いを教育しているようなものだと感じる一方で、そもそも教育って何だろう、とも思う。
教育について、知らないことしかない。時間を使って向き合う必要がある。中途半端になっていた私塾の計画も一度見直す時期。
自分と似ていて、しかし同一ではない存在の内側に、外でも内でもなく「他者の内」に、向き合いたいと思う。
仕組み化する
思えば、仕組み化に本気で取り組んだことはなかった。プレイヤーでいることが正義だと思っているタチだ。それは今でも変わらないけど。
だが、仕組みは誰も作ってはくれない。
現場を知りつつ、入りすぎない。その加減が必要なのに、気づけば自分が回して、自分が詰まる。今年は後回しにせず、ちゃんと体得しよう。
予定を埋めて考える時間を削ったら、意味がない。暇になることは、サボることじゃない。判断の質を上げるための前提。今年は、余白を作るために仕組みを作る。
作品を消費する
「言語化と感性を磨く」と書こうとして、ふと立ち止まった。言語化のほうは、AIに外注できるようになった。たしかに深い議論はまだ弱い。それでも、ChatGPT 5.2とGemini 3は、思考の助走を助け、十分なヒントをくれる。
問題は感性のほうだ。2025年は全然時間を割けなかった。日々の活動にリソースを吸われて、頭に空きがなかった。
だから、作品を消費する。表現に触れる。本も、漫画も、アニメも、もう少し取り戻す。言語と現場に、作品のインプットが掛け合わされば、もっと深く潜れる気がしている。
以上。
会える人は会いに行きます。新しい場所にも、新しいテーマにも、遠慮なく飛び込む一年にします。面白い仕事を取ってきて、面白い価値を創ります。
今年もよろしくお願いします。